Google Denies AI Search Countermeasures

先日、お客さんからこんな相談をいただきました。

「うちのところに営業がきて、『これからはAI検索の時代だから、対策しないとお宅のホームページはもう古い』って言われたんですよ。月額〇万円で対策しますって。やったほうがいいんでしょうか?」

——その営業、断っていただいて結構です。

ここ最近、こういう相談が一気に増えました。ChatGPTやGeminiの普及で、検索のやり方が変わりつつあるのは事実です。だからこそ「新しい対策が必要ですよ」と営業をかけてくる業者が増えています。月額数万円のAI対策プラン、AI向けの特殊なファイル設置、AI用にコンテンツを書き直すサービス——色々あります。

ところが、です。2026年5月15日、Googleが公式にこう言いました。

「そういうの、ほとんど要らないですよ」

Googleが自社の公式ガイドで、世間に出回っている「AI検索対策」の多くを名指しで否定したのです。これは結構な事件です。今回は、その内容を地元事業者の方にもわかるように噛み砕いてお伝えします。読み終わる頃には、怪しい営業に振り回されなくなるはずです。

そもそもAI検索って何が変わったの?

ChatGPTやGoogleの「AI Overviews(AIによる概要)」で何かを検索すると、青いリンクの一覧ではなく、AIがまとめた文章で答えが返ってきます。あれです。

「佐賀でおすすめの整体院は?」と聞けば、AIが何件かピックアップして紹介してくれる。「子供のアトピーに優しい洗剤は?」と聞けば、AIが商品をいくつか挙げて理由まで説明してくれる。便利です。

事業者側からすると当然こう思います。「自分の店、ちゃんと出てくるんだろうか?」

この不安を狙って、「AI検索専用の対策が必要です」という商売が出てきました。でも、Googleの答えはシンプルでした。

Google公式の見解:「特別な対策は要らない」

Googleのガイドの結論を一言で言うと、こうです。

AIで答えを出すための仕組みも、結局はGoogleの普通の検索結果を使っている。だから、これまでのSEO(検索対策)をちゃんとやっていれば、それでいい。

少しだけ仕組みの話をします。AI Overviewsで「佐賀でおすすめの整体院は?」と聞いたとき、AIは魔法でゼロから答えを生成しているわけではありません。まず裏で普通のGoogle検索を走らせて、上位に出てきたサイトの内容を読んで、それをまとめて答えているのです。

つまり、Google検索でちゃんと評価されているサイトは、AI検索でも引用される。逆に、Google検索で誰にも見つけてもらえないサイトは、AIにとっても存在しないのと同じです。

順番で言うと、こうなります。

  1. 普段からSEOをちゃんとやっている
  2. Google検索で見つけてもらえる
  3. 結果としてAIにも引用される

「AI対策」と「SEO」は別物ではなく、地続きの一つの作業なんです。

Googleが「やらなくていい」と否定した4つのこと

ここからが本題です。世間で「AI検索対策」として売られている施策のうち、Googleが「不要」と明言したものを順に紹介します。

1. 「AI専用のファイル」を設置する必要はない

最近よく聞くのが、サイトに「AI用の特別なファイル」を置けばAIに優遇される、という話です。「これからの時代、このファイルを設置しないと取り残されますよ」と営業されることがあります。

Googleの答えは明確で、「Google検索のAIには関係ありません」。普通のホームページのHTMLを読みに行っているので、別途専用ファイルを用意する意味はない、と公式にはっきり書かれています。

もちろん、ChatGPTやClaudeなど、Google以外のAIがそのファイルをどう扱うかは別の話ですが、少なくとも「Google検索のAIに引用されるために必須」というのは事実ではありません。

2. 文章を「AIが読みやすいように」書き直す必要はない

「AIが理解しやすい文体に書き直しましょう」「AI向けに細かく区切って書きましょう」というサービスがあります。

Googleの答えは、「普通に人間向けに書いてください」。AIは同じ意味の違う言葉(同義語)や、文脈をちゃんと理解できます。なので、わざわざAI向けに不自然な文章に書き換える必要はありません。

むしろ、お客さんが読んで違和感のある文章になってしまうと、本末転倒です。

3. ページを細かく分割する必要はない

「1ページに色々書くとAIが混乱するから、トピックごとに細かくページを分けましょう」という説もあります。

Googleの答えは、「1ページの中に複数の話題があっても、ちゃんと切り出せます」。理想のページの長さなんてものは存在しない、読者にとって読みやすい長さで書いてください、と明言されています。

4. AIに引用されるためのキーワードをばらまく必要はない

「AIに見つけてもらうために、想定される質問パターンごとにページを量産しましょう」という戦略を勧めてくる業者もいます。

これに対するGoogleの答えはかなり厳しくて、「それはスパム扱いです」。質の低いページを大量に作っても評価は上がらない、それどころか規約違反として評価を下げる対象になる、とはっきり書かれています。

じゃあ、何をやればいいの?

否定の話ばかりだと、結局何をすればいいのかわからなくなりますね。Googleが推奨している施策は、拍子抜けするくらい当たり前のことです。

自分の経験・体験を書く

Googleが最も力を入れて説明しているのがここでした。「初めて家を買う人のための7つのコツ」のような、誰でも書ける一般論ではなく、「自分が実際にやってみてわかったこと」「現場で経験したこと」を書いてください、という話です。

例として、Googleはこんな対比をしています。

  • ダメな例:「初めて家を買う人のための7つのコツ」(誰でも書ける)
  • 良い例:「インスペクションを省いて節約できた話:下水管の内側を覗いた私たちの判断」(その人にしか書けない)

整体院なら「腰痛で来た60代女性が、実は別の原因だった話」、工務店なら「予算オーバーしそうなお客さんに、どこを削ることを提案したか」、美容室なら「白髪染めで失敗したお客さんの修復にかかった時間と工程」——こういう、現場でしか語れない話が、これからの時代に強いコンテンツです。

普通にホームページを整える

もう一つ大事なのが、ホームページの技術的な土台です。具体的にはこんなことです。

  • スマホでちゃんと見られる
  • 表示が遅すぎない
  • Googleに認識されている(インデックスされている)
  • 同じ内容のページが大量に重複していない

どれも目新しい話ではありません。10年前から言われていることです。AIの時代になっても、ここは変わらないということです。

Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)を整える

地元のお客さん相手の商売をされている方には、特にこれが重要です。AIが「佐賀でおすすめの整体院は?」と答えるとき、Googleビジネスプロフィールの情報を参照しています。営業時間、住所、電話番号、写真、口コミ——これらをきちんと整えておくことが、結果的にAI検索でも有利に働きます。

まとめ:派手な対策より、地味な土台

今回のGoogleの公式ガイドが伝えていることは、要するにこういうことです。

派手な「AI対策」を売り込んでくる業者には、警戒していい。

月額数万円のAI対策プラン、AI専用ファイルの設置代行、AI向けライティング、ページの細分化リライト——どれもGoogleが「不要」と明言した施策です。

本当に効くのは、地味で当たり前のことです。自分の経験を書く、ホームページの基本を整える、Googleビジネスプロフィールを更新する。これだけです。10年前から変わっていないし、これからも変わらないでしょう。

ウチ(アルラボ)がクライアントに提案しているのも、突き詰めればこの方針です。新しい技術が出るたびに方針が変わるような商売はしていません。Googleが地味に言い続けていることを、地味に積み上げる。遠回りに見えて、結局これが一番の近道です。

「AI検索対策、やったほうがいいですか?」と聞かれたら、私たちはいつもこう答えています。

「やったほうがいいのは、AI対策じゃなくて、お客さんに伝わるホームページ作りです」と。

原典を確認したい方はこちらからどうぞ。Google Search Central: Optimizing your website for generative AI features on Google Search

About the author

Kazuhito Naozuka Representative Director / Web Director / Programmer

Based in Saga City, supporting web strategy for small and medium-sized businesses and sole proprietors. Handling everything from website creation to SaaS development, SEO optimization, and ad management across the digital domain. Our mission is to accelerate the growth of regional businesses through "technical expertise × strategic proposals." We have been involved in numerous projects to date.