口コミが重要なのになぜ集めないのか?口コミ依頼の仕組み化が大事かも。
Googleマップで店や会社を探すとき、口コミを見る人は多い。
飲食店や美容室だけではない。歯科医院、クリニック、ホテル、リフォーム会社、自動車整備、不動産会社、学習塾など、実際に利用してみなければ品質が分かりにくい業種ほど、口コミは判断材料になりやすい。
Googleも、ローカル検索の順位を決める要素として「関連性」「距離」「知名度」を挙げており、口コミの数や評価も知名度に関係すると説明している。
つまり、MEOを考えるうえで口コミは無視できない。
ところが実際には、口コミをほとんど集めていない事業者も珍しくない。
重要だと分かっているのに、なぜやらないのだろうか。
口コミをお願いすること自体に心理的な抵抗がある
一つは、単純に頼みにくいからだ。
「口コミを書いてください」と言ったら迷惑ではないか。
図々しいと思われないか。
営業っぽく感じられないか。
そんなことを考えてしまう。
人は他人に何かをお願いするとき、相手が応じてくれる可能性を実際より低く見積もる傾向があるという研究もある。
口コミも同じだろう。
実際には快く書いてくれる人がいても、店側が先回りして「嫌がられるだろう」と判断し、そもそもお願いしない。
悪い口コミを書かれるのが怖い
もう一つ大きいのがこれだ。
満足してくれていると思っていた客に口コミをお願いした結果、星3や星2を付けられたらどうしよう。
そう考えると、何もしない方が安全に感じる。
特に口コミが少ない店舗では、低評価が1件入ったときの平均点への影響も大きい。
そのため「口コミは欲しい。でも悪い口コミは怖い」という矛盾した状態になりやすい。
しかし、口コミを依頼すると普段は投稿しない普通の満足客も口コミを書くようになるため、極端な評価だけに偏りにくくなるという研究もある。
悪い口コミを恐れて何もしないことが、必ずしも安全とは限らない。
効果がすぐに見えないので後回しになる
口コミ集めは、今日始めて明日売上が倍になるような施策ではない。
一件ずつ積み重なっていく。
一方で、口コミをお願いする手間や気まずさはその場で発生する。
忙しい店であれば、
「今日は混んでいるから」
「次からお願いしよう」
「また今度でいいか」
となりやすい。
その結果、いつまで経っても口コミが増えない。
つまり口コミ施策は、重要性を理解しているかどうかよりも、日常業務の中で実行できる状態になっているかどうかの方が重要になる。
口コミ集めを個人の頑張りにしてはいけない
解決方法は比較的単純だ。
「口コミを取ろう」と社員に言うのではなく、口コミ依頼が発生する仕組みを作る。
例えばヤマハ バイクレンタル東京大森では、バイク返却時の待ち時間にQRコードを案内し、口コミ投稿につなげる運用を行った。
重要なのは、スタッフが気が向いたときに口コミをお願いするのではないことだ。
返却する。
待ち時間が発生する。
QRコードを案内する。
この流れを接客の中に組み込んでいる。
口コミ依頼が特別な仕事ではなく、通常業務の一工程になっている。
組織として口コミを管理する会社もある
大阪で複数の飲食店を運営する萬野屋では、店舗ごとの口コミ状況を店長会議で共有する運用を行っている。
口コミ獲得がうまくいっている店舗と、そうでない店舗を見えるようにし、成功している店舗の方法を他店にも共有する。
口コミに取り組んでいない店舗では販促施策の稟議を通さないという運用まで行われている。
ここまで行くと、口コミは単なるMEO施策ではない。
店舗運営そのものの評価指標になっている。
口コミ依頼は人間がやらなくてもいい
業種によっては、さらに自動化できる。
例えば予約システムや顧客管理システムと組み合わせて、
来店
会計
翌日にLINEやメールを送る
Google口コミへのリンクを案内する
という流れを作る。
こうすればスタッフが毎回声をかける必要はない。
「今日は忙しかったから頼めなかった」という問題もなくなる。
口コミを増やしたいのであれば、口コミの書き方を研究するより先に、いつ、誰に、どの方法で依頼するかを決めた方がいい。
では、口コミをお願いされた客はどう感じるのか
ここも重要だ。
口コミを依頼されたからといって、多くの人が不快になるとは限らない。
満足している客であれば、
「お世話になったから協力しよう」
「このくらいなら手伝ってもいい」
「自分の感想が役に立つなら書こう」
と考える人もいる。
問題になるのは、口コミを書くまでの手間だ。
「Googleで店名を検索してください」
「店舗ページを開いてください」
「口コミの場所を探してください」
これでは面倒になる。
一方でQRコードを読み込めば直接口コミ画面が開くのであれば、心理的な負担はかなり小さくなる。
口コミ依頼では、説得することよりも、面倒を減らすことの方が重要なのかもしれない。
頼まれていないのに口コミを書くのはどんなときか
では、人はどんなときに自分から口コミを書くのだろうか。
一つは、想像以上に良かったときだ。
普通に満足しただけなら、
「良かった。また来よう」
で終わる。
ところが予想以上に親切だった、非常に丁寧だった、期待していた以上の商品だったとなると、
「この店はもっと知られてもいい」
「誰かに教えたい」
という気持ちが生まれる。
口コミは単なる評価ではなく、応援行動になる。
反対に、想像以上に悪かった場合にも口コミは書かれやすい。
「他の人にも知らせたい」
「この対応は納得できない」
「同じ失敗をする人を減らしたい」
という感情が投稿を促す。
In other words,自発的な口コミは感情が大きく動いたときに発生しやすい。
他の人に教えたいという心理もある
口コミを書く理由は、店への評価だけではない。
「子連れでも入りやすかった」
「駐車場の入口が少し分かりにくかった」
「初心者にも丁寧に説明してくれた」
このような情報は、次に利用する人にとって役に立つ。
そのため、
「自分が経験したことを他の人にも教えておきたい」
という気持ちから口コミを書く人もいる。
この心理は非常に重要だと思う。
店側が、
「高評価をお願いします」
と考えるのではなく、
「これから利用する人の参考になるので、率直な感想をいただけませんか」
と考えれば、口コミ依頼の意味も変わってくる。
狙うべきなのは普通に満足している客
口コミというと、
「感動してもらわなければ書いてもらえない」
と思われがちだ。
もちろん感動体験を作ることは重要だ。
しかし口コミ施策として見るなら、もっと大きな対象がいる。
普通に満足している人たちだ。
不満はない。
また利用してもいい。
スタッフの印象も悪くない。
しかし、自分からGoogleを開いて口コミを書くほどではない。
おそらく、多くの店で最も人数が多いのはこの層だろう。
この人たちに、利用後の適切なタイミングで、
「よかったら率直な感想をお願いします」
と簡単に投稿できる導線を提示する。
それだけで口コミの状況はかなり変わる可能性がある。
口コミ対策はMEOテクニックではなく業務設計
口コミを増やす方法として、
「スタッフにもっと声をかけてもらう」
だけでは長続きしない。
忙しくなれば忘れる。
人によって実行率が違う。
お願いするのが苦手な人もいる。
だから必要なのは、
いつお願いするのか。
誰にお願いするのか。
どの方法でお願いするのか。
どこから口コミを書いてもらうのか。
ここまで決めておくことだ。
口コミは重要だと知っている会社は多い。
しかし、
「重要だから頑張ろう」
で終わっている会社も多い。
- 口コミ対策で差がつくのは、知識ではなく仕組みの部分なのではないだろうか。
- 口コミを集める会社と集められない会社の違いは、熱意の差ではない。
- 口コミ依頼を個人の判断に任せているか、業務として設計しているか。
その違いの方が大きい。
口コミを「お願いする」から「仕組みで集まる」へ
口コミは、重要だと分かっていても、現場任せではなかなか増えません。
アルラボでは、Googleビジネスプロフィールの運用だけでなく、口コミを依頼するタイミングや導線、QRコードやLINE・メールを活用した仕組みづくりまで含めてご相談いただけます。
「口コミを増やしたいけれど、どう運用すればいいか分からない」
「スタッフにお願いしても続かない」
そんな場合は、現在の運用を一度整理してみませんか。