AIで記事を量産しても逆効果?Googleが本当に評価するコンテンツとは
生成AIの登場で、誰でも手軽にコンテンツを作れる時代になりました。しかしその一方で、「内容が薄い」「読者のニーズとズレている」といった低品質なコンテンツが急増しているのも事実です。
AIで作った記事が検索上位に表示されなくなった——そんな声を最近よく耳にします。Googleのガイドライン更新やスパムポリシーの強化を踏まえると、これは偶然ではありません。
今回は、AI時代のコンテンツ制作で本当に大切なことを、Googleの公式ドキュメントなども交えながらまとめます。
目次
生成AIでコンテンツの「量」は増えたが「価値」は増えていない
生成AIによってコンテンツ制作のハードルは大きく下がりました。これ自体はメリットですが、問題もあります。
以前は誤字脱字や明らかな誤情報が目立っていたAI生成コンテンツですが、今やAIの文章力は向上し、日本語として破綻のない文章を簡単に作れるようになりました。しかし、そこに新たな問題が生まれています。
それは「内容が薄く、価値の低いコンテンツ」が大量に出回っているということ。しかも、似たような情報をもとに作られたコンテンツばかりなので、インターネット全体で見ると「情報の価値の総量」が増えていないのです。
こんなコンテンツが量産されている
では、実際にどんな「ダメなコンテンツ」が増えているのでしょうか。よくあるパターンを紹介します。
① 結論がありきたりすぎるアドバイス記事
ある金融系メディアでは、「お金がない」という読者の相談に対して、「お風呂の回数を減らす」「携帯料金を見直す」といった一般的な節約術を並べるだけの記事を量産。これでは読者にとって有益な情報とは言えません。
② 比較対象がおかしい比較記事
家電情報サイトで、本来比較すべきではない製品同士を横並びにした記事が多数掲載されていたケースもあります。たとえばiPhone 16eの比較記事に、iPhone 7が並んでいるような状態です。これはGoogleの予測変換候補を機械的に拾ってAIに記事を書かせた結果と考えられます。
③ 間違いはないが、極端に中身が薄い
Kindle Unlimitedでは、都市名を変えただけの旅行フレーズ集が数百冊も出版されているケースがあるとのこと。誤情報ではないものの、お金を払う価値のあるクオリティとは言えません。AIを使って低コストで量産されたものと思われます。
Googleの姿勢は明確:「AIかどうか」ではなく「役に立つかどうか」
こうした状況に対して、Googleはどのように対応しているのでしょうか。
まず大前提として、Googleはコンテンツの制作手段(AIか人間か)は問題にしていません。重要なのは「そのコンテンツがユーザーの役に立つかどうか」です。
2025年1月に更新されたGoogleの検索品質評価ガイドラインでは、生成AIに関する記述が大幅に追加されました。ポイントは以下の2つです。
- そのページの目的に対して**「オリジナリティ」があるか**
- 「十分な労力」をかけているか
一方で、AIを使って中身の薄いコンテンツを大量に作る行為(Scaled Content Abuse=大量生成されたコンテンツの不正使用)については、明確に否定的な立場を示しています。
参照:Google 検索品質評価ガイドライン(PDF・英語)
参照:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー
実際にSEOへの悪影響も出ている
実際に、生成AIでコンテンツを制作しているオウンドメディアを観察すると、以下のような傾向が見られます。
- 立ち上げから3〜4ヶ月は検索流入が順調に伸びる
- しかし、ある時点から急激にアクセスが落ちる
これは、Googleがサイト立ち上げ初期にはある程度検索結果に露出させる傾向があるためです。しかし中身の薄い記事ばかりだと、ユーザーが離れていき、「品質が低い」というシグナルが蓄積され、約6ヶ月後に検索順位に反映されると考えられています。
SEOの問題にとどまらず、サイト全体のブランドイメージや企業への信頼にも悪影響を及ぼします。
参照:2024年3月のコアアップデートとスパムに関する新しいポリシーについて(Google公式)
良質なコンテンツを作る鍵は「一次情報」
では、AIを活用しつつも良質なコンテンツを作るには、何が必要なのでしょうか。
コンテンツの質を左右する最大の要因は「一次情報」です。発生源から直接得られた情報、つまり「その人が取材しなければ世に出なかった情報」のこと。すでにネットに出回っている情報をまとめただけのコンテンツとは、圧倒的に価値が違います。
一次情報をもとにしていれば、たとえ文章の生成にAIを活用したとしても、そのコンテンツには独自の価値が生まれます。
GoogleのE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼)の観点からも、自社で体験したことや取材に基づく情報は高く評価されます。
参照:Google検索セントラル – 有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成
AIと人間の理想的な役割分担
AIと人間の役割分担について、理想的な形は以下のように整理できます。
人間がやるべきこと:
- 企画・構成を練る(誰に、何を届けるか)
- インタビュー・取材で一次情報を集める
- AIが生成した成果物の品質チェック
AIに任せられること:
- 文字起こし
- 下書きの生成
- リサーチの補助
- SNS投稿文の作成
つまり、**「入口(企画・取材)と出口(レビュー)は人間がおさえる」**のが理想です。
また、AIにはまだ苦手な領域もあります。たとえば「想定読者の具体的なペルソナ設計」は、プロンプトで指定しても精度が低いケースが多いとのこと。編集者が経験的に持っている読者像(「町中華好き」のような独自のクラスター)は、AIの学習データには含まれていないため、人間が主導する必要があります。
地方の中小企業こそ「一次情報」の宝庫
ここで特に重要なのは、企業の中には活かされていない一次情報がたくさん眠っているという点です。
日々のお客様の声、現場での気づき、業界ならではの知見——こうした情報は外部のライターには書けない、その企業だけが持つ価値あるコンテンツの素材です。
私たちアルラボが日頃お伝えしている「地方の中小企業は、必ずしもホームページに大きな投資をする必要はない」という考え方にもつながりますが、もしコンテンツを発信するなら、自社にしかない一次情報をベースにすることが最も効果的です。
SNSやGoogleビジネスプロフィールで発信する場合も、この原則は同じ。ありきたりな情報ではなく、あなたのビジネスだからこそ語れるストーリーを発信しましょう。
まとめ
- AIを使ったコンテンツ制作で大切なのは、「手段」ではなく「中身」
- Googleも「AIかどうか」ではなく「ユーザーの役に立つか」で判断している
- 低品質なAIコンテンツの量産は、SEOだけでなくブランドイメージにも悪影響
- 差別化の鍵は、自社だけが持つ**「一次情報」**
- AIは「アシスタント」として活用し、企画とレビューは人間が担う
これからの時代、コンテンツの競争力は「表現力」ではなく「情報源の差」で決まります。AIをうまく活用しながら、あなたのビジネスならではの価値ある情報を発信していきましょう。
参考リンク